あけましておめでとうございます。
沈黙を保ってきたタヌです。
あれこれ思うことは山ほどもあったけれど、なぜ沈黙していたか。
言語化が苦手だ。
つらつら意味のない文章を作るのは好きだが、パートナーのピ含め、誰かに読まれるということは責任が伴うから嫌だ。
そういうわけで一読者と化していたが、ピがあまりにも熱心に記事を書くものだからやや感化された。
アイデンティティクライシスからの脱却
「自分がわからない」
「何をしたいのかわからない」
「社会で自分の存在価値はあるのか?」
自己同一性を喪失する状態。
これをアイデンティティクライシスというが、20歳くらいのタヌはそれに陥っていたと思う。
そんな時にたまたま駅で高校の同級生にあった。
その子は、高校一年生の時に同じクラス
そして隣の席だったことで意気投合して特に仲良かった子の1人。
卒業の前か後か、一緒に英会話教室にも通っていた記憶。
彼女は大学で英語を極めようと、私は留学の準備のためにと。
でもだんだん来なくなってしまった彼女・・・
駅で会った彼女は変わらないテンションの高さだった。
開口一番に「タヌに報告したいことがあるの!」と。
「結婚するの?」と半ば冗談で問うと「うん!子どもが生まれるの!」と。
そうして彼女は大学を辞めて、予てよりお付き合いしていた中学の同級生と結婚し、母になった。
しばらくはそれから会っていたけれど、だんだんと疎遠になってしまった彼女。
すぐに第二子も生まれて、現在は上の子は中学生になっているはず。
さて、そんな友人をきっかけにタヌのアイデンティティクライシスはひとつの答えを見つけた。
道を歩いているときに急にピコーン!
「そうだ、母になるんだ。」
漠然と「なぜ自分は生きているのか」を問うていた私の私からの答えは、「母になること」だった。
そこに存在意義を見つけた。
ステレオタイプとも言えなくもない。
タヌの母像
アイデンティティクライシスから脱却したタヌは、頭の片隅に「母になること」を密かな目標として掲げてきた。
一方で、なんだか現実味がないなと思っていた。
子どもを産むのはなんだか怖いし。
鳥みたいに、ころんと卵を産んで温めて生まれるならいいなと考えたりしていた。
そもそも相手が想像つかない。
手前味噌であるが、私の母は家庭的な人であった。
お料理もお裁縫もできる。
学校で使う音楽袋や上履き袋は母の手作りだった。
しかもダサくないのである。
お誕生日ケーキも手作りが当たり前だった。
一緒に好きなケーキを毎年作った。
生憎、裁縫はタヌの性に合わなくて服や鞄は作れない。
でも小さなころから一緒にキッチンに立っていたおかげで、クックパッドには載っていないようなちょっとしたコツなんかは知っていたりする。
辿れば祖母も時代的に当たり前なのかもしれないけれど、裁縫や料理は得意だった。
ピアノの発表会にはドレスを作ってくれたり。
という具合だったので、私は脈々と受け継がれたそれらを繋げたいと思っていた。
否、思っている。
あとお気に入りの服が捨てられない。
大人になって、祖母や母が着ていた服が着られるようになり、そのレトロな感じが気に入っている。
「着てくれるなら、捨てずにとっておけば良かった」という母の言葉がタヌの中に根をはってしまった。
娘ができるか、そもそも母親になれるかもわからないのに、都合のいい想像ばかりをしている。
自分の理想に蓋をする
いい年をして、ふらふらしていた時にピと出会った。
ピと出会う前から、このふらふら期を終えた暁には婚活をすることを決めていた。
親にも宣言していたくらいである。
人生最後のふらふらと決めていて、落ち着こうと。
そして結婚は子どもを産むための第一歩と考えていた。
そこへピが登場してしまったのだから、タヌは困った。
困ったタヌは、期間限定でピとお付き合いすることにした。
ピとずっといても、どんなに好きでも生物学的に二人だけで新しい生命を誕生させることは不可能だからだ。
ところがどっこい、ご覧の通り一緒に居る。
もう5年が経つ。
タヌは長年の理想にぎゅっと蓋をした。
そろそろ周りの友人が子どもを産んでも、感情がブレずに祝えるようになってきた。
たまに甥っ子を可愛がればいいか、育児大変だし、自分が一番可愛い、と念仏のように心の中で思った。
が、その蓋を開けたのがピである。
そのことについては、既に公開されているピの投稿の通りである。
たぬぴのなせなる暮らし
「為せば成る、為さねばならぬ何事も。成らぬは人の為さぬなりけり」
これがタヌの座右の銘。
人前で座右の銘を明かす機会は稀だと思うが、その稀な機会がありピの座右の銘も同じであった。
最初はタヌに好かれようとわざと合わせてきたのかと思ったり思わなかったり半信半疑だったが、本当であった。
で、あれば・・・
「成らぬは人の為さぬなりけり」で終わりにしたくないのである。
今の一番の気持ちはこれ。